年度末。

引越しすることになった。
現実生活で、超至近距離でだけれど。


家族が転勤族だった訳ではないけれど、なんやかんや30年余で通算12回している勘定になる。
インパクトがあった住まいベスト3といえば、明治期の診療所→商家に転用された母方の実家(無茶な増改築の結果、床に穴+豪雪で歪んで引き戸が引けない)平成中期築の前のマンション(壁が木枠だけの処が有って、赤子の手でぶち抜かれた)、加えて留学先のアパート(外はマイナス20度なのにエアコンがろくにきかず、スキーウェアで寝て事なきを得た。でもホストファミリーは何故かアンダーウェアで寛いだりしていた。)
だろうか。

「平均3年住み替えかよ」と夫に突っ込まれたけれど、よく考えたらそういうことになる。
陸の孤島出身のくせに、何処かに根付く感覚が自分に稀薄なのは恐らくこの転々とした経験が大きく影響しているのだろうし、例の無茶な増改築をしながら豊かさをもとめて親族郎党一丸になって駆け上がることに取り組めた、充実した高度経済成長期を過ごしたあとの実家の面々とも、なにかと感性やら意見が合わないことがある。

まあそんななんのことない自分の住まいへの感覚を反芻しつつ原稿していると、どこかでゆっくり過ごす尾形さんがいる作品が多いよな、と思った。
同時にそれは、「何処へなりと行けるけれど此処も悪くない。」と思って立ち止まる彼のすがたーー特に立ち止まりの回数が増えた場合や、自らの意志で何かに取り組んでいる彼はどうしているのだろうと思ったからだとも。

所謂田舎住まいで、よからぬことを近所の人に嗅ぎつけられたり、距離がうまくとれなかったりしてフラッとどこかに…ということもあるかもだな~と思いつつ、必要以上に子どもを子ども扱いしないから小さい子に好かれたり、バアチャンに頼りにされたり……原作の中で経験できなかったライフイベントなり、生活のなかでの些細なやりとりだったりを重ねてみると、どんなふうに理解して、関わろうとするのだろうか、と。

共に過ごす相手によって、起こり得ることは変わってくるでしょうけれど(とくに杉と作さんだと正反対になりそうですね)。
「これでいい」とか、あわよくば「ここがいいのさ」と、前世の分まで思ってる姿があればうれしい。
取り留めもないけれど、年度末の今週はそんなことを考えてました。

***

原稿進捗

原稿は長編のうちから抜粋した短編を先に公開出来たら…と思うところです。


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